MEC食では、肉・卵・チーズを優先して食べる食事法。
これらの食品はどれも動物性食品のため、植物性食品が自然と抑えめの食事になる人が多いと思います。
でも、植物性食品は”ヘルシー”なイメージが強いので、不安になる人もいるのでは?
肉・卵・チーズと同じくたんぱく質・脂質が豊富な植物性食品と言えば、大豆。
豆腐・納豆・豆乳など、健康や美容のために、積極的に食べている人もいると思います。
では、MEC食で大豆製品は、どのような位置づけなのか?
どれくらい食べていいのか?
そもそも食べていいのか?
調べてみました。
大豆と肉の栄養成分値
まずは、大豆(ゆで)と肉類の栄養を比較しています。
お肉は、種類が多いので、僕が比較的よく食べるお肉を選びました。
●お肉のほうがたんぱく質・脂質が豊富
必須栄養素のたんぱく質と脂質は、お肉のほうが豊富なようです。
といっても、大豆も100gで約15g含まれているので、十分多いと思います。
●大豆は食物繊維が豊富
肉3種類の炭水化物はほぼ0g。
対して大豆は、炭水化物は8.4g。ただし、食物繊維がとても豊富なため、糖質1.8gで低糖質になっています。
●ミネラルは大豆が豊富
ミネラルを比較すると、大豆は多く含まれています。
亜鉛だけは牛肉肩ロースが多いのですが、それ以外は大豆のほうが多いのがわかります。
●ビタミンB群はお肉のほうが多い
エネルギー代謝に必要なビタミンB群は、お肉のほうが豊富なようです。
ビタミンE、葉酸は大豆のほうが多く含まれていますね。
大豆より肉を勧める理由
栄養成分値を比較すると、大豆も栄養が豊富な食品と言えます。
しかし、大豆よりも肉を勧めるのはナゼなのか?
調べてみると、主に以下の2点が挙げられます。
動物性たんぱく質・脂肪
大豆とお肉の大きな違いは、動物性と植物性であることです。
MEC食では、動物性たんぱく質・脂質を重要視しています。
たんぱく質では、お肉のほうがアミノ酸組成が優れている点があります。
大豆と肉100gのアミノ酸含有量(mg)を調べてみました。
また、お肉に含まれている動物性脂肪は、必須脂肪酸のバランスが良い点や、しっかり摂取することで砂糖の欲求を抑える効果が期待できるためです。
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大豆イソフラボン
大豆イソフラボンは、女性ホルモンに似た働きをすることで注目されている成分です。
そのため、大豆イソフラボンを配合したダイエット食品や美容サプリメントもありますね。
しかし、渡辺信幸医師は、大豆イソフラボンについて問題視しているようです。
これは、食品安全委員会や農林水産省の見解を元に説明しています。
農林水産省の考え
内閣府が設置している食品安全委員会では、大豆イソフラボンの摂取量は以下のように述べています。
閉経後女性を対象とした大豆イソフラボン錠剤(150 ㎎/日)の 5 年間長期摂取試験 96)及び個人差を考慮して、本試験の健康被害の発現が懸念される「影響量」である 150 ㎎/日の 2 分の1、75 ㎎/日を臨床研究に基づく現時点におけるヒト(閉経前女性、閉経後女性及び男性)の安全な大豆イソフラボンの一日上限摂取目安量とする。
試験報告数や試験設計の差等、及び無作用量の設定の困難さを考慮し、57.3 ㎎/日の 2 分の1、28.7 ㎎/日、おおよそ 30 ㎎/日を閉経前女性における、特定保健用食品としての大豆イソフラボンの一日上乗せ摂取量とする。
出典:大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の安全性評価の基本的な考え方-食品安全委員会
そして、農林水産省は大豆イソフラボンについて、どのように考えているのでしょうか?
エストロゲン受容体を介する作用
(1)「大豆イソフラボンは植物エストロゲンのひとつといわれ、その化学構造が女性ホルモン(エストロゲン)と類似しエストロゲン受容体(エストロゲンレセプター)に結合することから、促進的あるいは競合的に種々の生体作用を発揮することが、試験管内の試験や、動物実験で示されている。」
(2)「これらの効果がヒトにおいても発揮されることが推論されうる。例えば骨粗しょう症、乳がんや前立腺がん等の予防効果が期待されるが、一方、乳がん発症や再発のリスクを高める可能性も考えられる。しかし未だ実際に多くの研究が行われている段階にあり、ヒトにおける大豆イソフラボンの有効性と安全性についての議論は確立していない。」
大豆イソフラボンを含む食品のうち、豆腐、納豆、煮豆、みそなどの「伝統的な大豆食品」については、日常の食生活の中でその他の食品とともにバランスよく食べるように心がけてください。また、大豆イソフラボンを関与成分とする特定保健用食品の過剰摂取による大豆イソフラボンの摂り過ぎには注意してください。
大豆イソフラボンは、問8にあるように、主にエストロゲン受容体を介してヒトの健康に有益な効果があると想定されていますが、同じエストロゲン受容体を介する作用が有害性側に働く可能性も指摘されています。なお、大豆イソフラボンは、人の健康の維持に必須の栄養素とされていません。
これらをまとめると、以下の4点になります。
- 大豆イソフラボンは必須栄養素ではない
- 食品からの大豆イソフラボンは、1日75mgが安全量
- 特定保健用食品からの上乗せ摂取量は1日30mg
- 大豆イソフラボンの安全性は確立されてない
- 特定保健用食品からの過剰摂取に注意
この5点について、MEC食考案の渡辺信幸医師が指摘しています。
これらの見解から、
上乗せしてよくないんだったら、最初から悪いんじゃないの
という考えのようです。
参照:MEC食で肉卵チーズを食べることの効果を渡辺信幸氏が解説 – ログミー
大豆イソフラボンの含有量
大豆イソフラボン量は、以下のようになっています。
<大豆イソフラボンアグリコン含有量(mg/100g)>
※()は平均値
- 木綿豆腐:18~32(23)
- 絹ごし豆腐:15~35(21)
- 充てん豆腐:12~29(21)
- 大豆:88.3~207.7(140.4)
- 煮大豆:69.0~74.7(72.1)
- 納豆:65.6~81.3(73.5)
- みそ:14.3~81.4(49.7)
- しょうゆ:0.7~1.2(0.9)
- 豆乳:6.9~53.8(24.8)
出典:
大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の安全性評価の基本的な考え方-食品安全委員会
ということは、大豆製品で換算すると、安全量は以下のようになります。
※平均含有量から計算
- 豆腐一丁(300g):63〜69mg
- 煮大豆100g:72.1mg
- 納豆2パック(100g):73.5mg
- 豆乳300ml(およそ309g):76.6mg
この量を見ると、和食中心の人は十分に摂取している人もいるのでは?
大豆製品(納豆・豆腐・豆乳)を食べてはいけないわけでない
大豆製品について問題視してる点もありますが、食べてはいけないわけではありません。
MEC食の基本は、食べてはいけないものはありません。
MEC(肉200g・卵3個・チーズ120g)を中心にした食事に、大豆製品は副菜として加えることを勧めています。
もちろん、1口30回噛む(カムカム30)もセットです。
MEC食での大豆製品の位置づけについてまとめると
豆腐・納豆・豆乳などの大豆製品は、高たんぱく質で栄養豊富な食品です。
しかし、動物性たんぱく質・脂質を重要視しているMEC食では、優先順位は高くありません。
また、大豆に含まれている大豆イソフラボンを問題視していることも関係しているようです。
大豆製品は、”中心”に食べるのではなく、”副菜”として食べるのが良いようです。
僕の場合、マグネシウムを摂取するために豆腐を時々食べています。
豆腐はカムカム30するのが大変ですが・・・。
MEC食の参考にしてください!