MEC食では、必要な栄養素のほとんどを効率的に摂取できる食事法です。
でもネットで調べてみると、
「MEC食では○○が不足する!」
と指摘する人もいるのが事実。
そのひとつに、鉄分。
それじゃ、実際にはどれくらい不足しているんだ?
そして、どうしたらいいんだ?
ということで、調べてまとめてみました。
※栄養成分値は、日本食品標準成分表2015年版(七訂)より出典
MEC食では鉄分が不十分?
MEC食で摂取できる鉄分量
「MEC食では鉄分が不足する」
ネット上でこのような声がありました。
では、MEC食で鉄分は不足するのか?
豚肉バラ200g、卵2個、プロセスチーズ120gを食べた場合、鉄分の摂取量は約4mgです。
厚生労働省の『日本人の食事摂取基準(2015年版)』では、鉄分の推奨量は以下のようになっています。
<男性>
- 18〜29歳:7.0mg
- 30〜49歳:7.5mg
<女性>
- 18〜29歳:6.0mg
- 30〜49歳:6.5mg
※月経ありの場合は10.5mg
つまり、MEC食のベース量で50%以上をカバーできることになります。
「やっぱり不足しているじゃないか!」
なんて言われそうですが。
僕は、MEC食のベース量だけで50%以上も摂取できる、と受け取っています。
しかも、吸収率の高いヘム鉄を摂取できるので、効率的だと感じています。
受け止め方は、人それぞれですね。
<参考>ヘム鉄と非ヘム鉄
鉄は、ヘム鉄と非ヘム鉄に分けられます。
ヘム鉄は、肉・魚などの動物性食品に。非ヘム鉄は植物性食品に多く含まれています。
(卵は、ヘム鉄と非ヘム鉄の両方を含む)
吸収率は、ヘム鉄は10〜20%に対して非ヘム鉄は1〜5%。
そのため、ヘム鉄の多い動物性食品から摂取することが効率的。
参考書籍▷うつ・パニックは「鉄」不足が原因だった (光文社新書) – Amazon
MEC食は肉・卵・チーズだけを食べる方法ではない
肉200g、卵3個、チーズ120gだけを食べると解釈されている人もいるようですが。
これは、ベース量であって、これ以上食べてはいけないというルールはありません。
必要なら、ベース量以上を食べても良いとしています。
(もちろん、一口30回噛むは必須!)
また、MEC食以外に、葉野菜を食べるように言われていますし、それ以外の食品を食べてはいけないわけではありません。
MEC食は、必要な栄養を効率的に摂取する食事法(と僕は解釈している)です。
MEC食だけでは不十分な栄養素は、目的に合わせてベース量よりも多く食べると良いですし、他の食材を追加すれば良いと思います。
つまり、鉄分の摂取を増やすなら、お肉をベース以上に食べる、葉野菜を食べる、魚介類を追加するなど、工夫すれば良いと言えますね。
MEC食で鉄分摂取量を増やす方法
食べる量を増やす
手っ取り早いのが、肉・卵を増やすこと。
お肉には100gあたり1〜3mg。卵は100gあたり(卵2個分)で1.8mg含まれています。
お肉を200g→300gに増やせば、鉄分1〜3mg追加。
卵を3個→5個に増やせば、鉄分1.8mgを追加することができます。
お肉の種類を工夫する
お肉は、種類によって鉄分が含有量が異なります。
少ないものなら100gあたり1mg程度。多いものなら3mgくらいになります。
それじゃ、鉄を多く含む肉は何があるのか?
●牛肉
一般的に食べられている牛肉・豚肉・鶏肉で比較すると、鉄が比較的多いのが牛肉。
その中でも、赤肉の部分が多い部位は、鉄が多い傾向にあります。
牛肉は、脂肪燃焼に必要なカルニチンが豚肉・鶏肉よりも多く含まれているのも特徴。
ダイエット向きの食材とも言えますね。
●レバー
レバーは、牛・豚・鶏それぞれ鉄分が豊富な部位です。
- 牛レバー:4.0mg
- 豚レバー:13.0mg
- 鶏レバー:9.0mg
ただし注意したいのは、レバーに多く含まれているビタミンA(レチノール)の過剰摂取です。
ビタミンA(レチノール)は、男女ともに1日2700㎍が上限になっています。
そのため、鉄分を摂取したいからと、レバーを食べすぎてしまうと、ビタミンA(レチノール)の過剰摂取になってしまいます。
レバーを食べる時は、少量にしましょう。
<レバーのビタミンA(レチノール)含有量>
- 牛肉:1100μg
- 豚肉:13000μg
- 鶏肉:14000μg
●羊肉
牛肉・豚肉・鶏肉以外なら、馬肉・羊肉にも鉄分が豊富。
普段食べられる種類ではありませんが、覚えておくと良いですね。
<馬肉・羊肉(マトン・ラム)100gあたりの鉄分含有量>
- 馬肉:4.3mg
- マトン・ロース:2.7mg
- マトン・もも:2.5mg
- ラム・肩:2.2mg
- ラム・ロース:1.2mg
- ラム・もも:2.0mg
●ビーフジャーキー
ビーフジャーキーは、MEC食では、間食としても勧めている食品ですが、鉄分補給にも適している食品。
干し肉なので、栄養も凝縮されています。
ビーフジャーキー100gあたりで鉄分は6.4gです。
鉄分が多い食品
MEC食以外も食品で鉄分が多く含まれているものをピックアップしてみました。
豆類
豆類には、鉄が多く含まれているものが多くあります。
<豆類100gあたりの含有量>
- あずき(ゆで):1.7mg
- いんげん豆(ゆで):2.0mg
- えんどう豆(ゆで):2.2mg
- 大豆(ゆで):2.2mg
- きな粉:8.0mg
- 焼き豆腐:1.6mg
- 油揚げ:3.3mg
- 納豆:3.3mg
- おから(生):1.3mg
- 豆乳:1.2mg
種実類
ナッツなどの種実類にも鉄分が多く含まれているものがあります。
<100gあたりの含有量>
- アーモンド:3.6mg
- カシューナッツ:4.8mg
- かぼちゃの種:6.5mg
- くるみ:2.6mg
- ごま:9.6mg
貝類
貝類にも鉄分が多く含まれています。
<100gあたりの含有量>
- あさり:3.8mg
- しじみ:8.3mg
- はまぐり:2.1mg
- ほたて:2.2mg
野菜
野菜の中でも葉野菜には鉄分が多く含まれている傾向にあります。
MEC食では、肉・卵・チーズ+葉野菜としているので、この食べ方が栄養をまんべんなく摂取できる食べ方ということが理解できるのではないでしょうか。
<野菜100gあたりの含有量>
- 小松菜:2.8mg
- 大根の葉:3.1mg
- チンゲン菜:1.1mg
- ブロッコリー:1.0mg
- ほうれん草:2.0mg
- 水菜:2.1mg
- サニーレタス:1.8mg
MEC食で鉄分を摂取する方法をまとめると
MEC食のベース量で、鉄分を約50%以上をカバーすることができます。
ベース量に加えて葉野菜を加えることで、鉄分を摂取することが可能です。
さらに追加するなら、肉・卵をベース量以上に食べる、魚介類・豆類・種実類を加えると摂取量を増やすことができます。
それぞれの目的に合わせて、自由に食材を加えていくことで、無理なく栄養を摂取できるのでは?と思います。