2018年1月18日放送の『主治医が見つかる診療所』では、「最新!血管を改善して10歳若返る秘策を大公開SP」と題して、毛細血管を若返られる方法が紹介されました。
番組内では、魚を食べることを推奨する鈴木たね子農学博士と、肉食を推奨するこくらクリニックの医師・渡辺信幸医師が出演。
驚きなのは、鈴木たね子農学博士と渡辺信幸医師の血管年齢。
魚は血液の流れを良くするとイメージがあります。
そのため、知識を持った人は血管年齢も若いのでは?
という予想がつくかもしれません。
しかし、肉食も血管を若返らせるサポートをしてくれると言えるかもしれません。
鈴木たね子農学博士の経歴
魚を食べることを推奨している鈴木たね子農学博士の経歴をご紹介します。
1926年生まれ。(現在91歳)
国際学院埼玉短期大学客員教授、お魚マイスター協会講師、日本水産学会名誉会員。
<著書>
- 『かまぼこでぐんぐん健康になる本 』(ビーエービージャパン)
- 『猫も知りたい魚の味―水産食品を科学する』(成山堂書店)
- 『なぜ、魚は健康にいいと言われるのか?』(成山堂書店)
- 『かまぼこをまいにち食べて健康になる』(キクロス出版)
- 『お魚をまいにち食べて健康になる』(キクロス出版)
渡辺信幸医師の経歴
1963年生まれ(現在54歳)
沖縄・こくらクリニック医師。肉・卵・チーズを中心に食べるMEC食の考案者。
<著書>
- 『一生太らない体をつくる 噛むだけダイエット』(東京書店)
- 『日本人だからこそ「ご飯」を食べるな 肉・卵・チーズが健康長寿をつくる』(講談社)
- 『「野菜中心」をやめなさい ~肉・卵・チーズのMEC食が健康をつくる』(宝島社)
- 『肉・卵・チーズMEC食で ボケない老けない疲れない』(主婦の友社)
- 『肉食やせ!』(主婦の友社)
- 『まとめて作って肉食やせ!』(主婦の友社)
- 『肉・卵・チーズで人は生まれ変わる』(主婦の友社)
- 『ほったらかし調理で肉食やせ!』(主婦の友社)
魚食と肉食どちらも血管年齢は実年齢以下!
一般的には、魚は血液をサラサラ、肉食は血液ドロドロというイメージがありますよね。
そのようなイメージから、魚食の鈴木たね子農学博士は血管年齢は若いのでは?
肉食の渡辺信幸医師の血管年齢は高いのでは?
と思いますよね。
しかし、血管年齢に驚きの結果が。
- 鈴木たね子農学博士:66歳(実年齢91歳)
- 渡辺信幸医師:20歳(実年齢54歳)
鈴木たね子農学博士の66歳もスゴイのですが、渡辺信幸医師も負けずに20歳。
「肉食は血液がドロドロ」
「血管をつまらせる」
というイメージを持っていた人には、意外な結果になりました。
魚で血管年齢を若くする食べ方
魚に含まれている脂肪酸DHAとEPAが含まれています。
これが、血管の健康に関連していると言われています。
<EPA>
- 血栓の発生を魚帽
- 中性脂肪や悪玉コレステロールの減少
- 血管を柔らかくする
<DHA>
- 記憶力の向上
- 認知症の予防
では、血管の健康に良い魚、どのようにして食べると、より効果が期待できるのでしょうか?
魚を朝に食べる
<国立研究開発法人 産業技術総合研究所のマウスを使った研究>
EPAとDHAを含む魚油を摂取させた場合、朝に摂ったほうが夜に摂ったよりも血中濃度が増加したそうです。
そのため、朝に魚を食べることで、血管の若返りが期待できると考えられます。
かまぼこを食べる
かまぼこ・ちくわ・はんぺんの原材料である、スケトウダラ。
このスケトウダラのたんぱく質が、効率的に筋肉量を増やすことに期待できるといいます。
<立命館藤田聡教授と日本水産生活機能科学研究所の共同研究>
65歳以上の女性19人を対象に調査。
3ヶ月間毎日、スケトウダラ魚肉ミンチ4.5g入のスープを食べてもらいました。
その結果、15人の女性が除脂肪量(筋肉と内臓の総量)が増加したというのです。
この他、スケトウダラのたんぱく質で丈夫な血管を作るサポートになるということです。
干物でも良い
魚の干物でも、EPAとDHAの含有量はほとんど変わらないという研究結果があります。
そのため、生の魚が苦手な人は、干物を食べるようにして、EPAとDHAを摂取すると良いようです。
ただし、塩分は高めなので注意が必要です。
鮭を食べる
鮭に含まれているアスタキサンチンは、抗酸化作用が強い(ビタミンEの約1000倍)ため、老化予防・動脈硬化予防が期待できる成分です。
また、鮭の皮の裏のアブラにはEPA・DHAがたっぷり含まれている。
缶詰もおすすめ
丁宗鐵(てい むねてつ)医師によると、缶詰もおすすめなのだそうです。
魚の缶詰は、生の魚を密閉してから熱を加えるために、魚の栄養素が逃げないまま保存されているためです。
肉食で血管年齢が若い理由
では、なぜ肉食でも血管年齢が若いのか?
それは、動物性たんぱく質と動物性脂質が血管の弾力を増して若返るためということです。
【参考】
書籍『肉・卵・チーズで人は生まれ変わる』(主婦の友社)によると、血管は、動物性たんぱく質と動物性脂質でできるため、と紹介されています。
牛・豚・鶏などのお肉には、動物性たんぱく質・動物性脂質が豊富に含まれています。
そのため、お肉を食べることで血管の状態を良くしてくれるというわけです。
また、老化の原因は、栄養不足・有害重金属・AGEsと指摘しています。
渡辺信幸医師が考案し実践している、肉・卵・チーズを中心に食事(MEC食)。
この食事法は、以下のような特徴があります。
- 動物性たんぱく質・動物性脂質をはじめ、ビタミン・ミネラルをまんべんなく摂取できる。
- 植物性食品に含まれる有害重金属の摂取を抑える。
- AGEsの原因の糖質の摂取を抑える。
そのため、血管年齢が若いと考えられます。
お肉で血管年齢を若くする食べ方
寒い朝にお肉を食べる
食べたものを消化吸収するときには、体内の脂肪がエネルギーとして使われる。
その中で、たんぱく質は糖質に比べて消化吸収で使われる消費エネルギーが大きい。
そのため、体温の上昇につながるので、寒い朝には肉食が良いということです。
アメリカのミズーリ大学の研究では、朝食に高たんぱく質の食事にすると、満腹感が継続して間食が少なかったという結果が出ています。
食欲をコントロールするためにも、朝食でしっかりたんぱく質を摂取することは重要と考えられます。
小さく切って30回噛む
渡辺信幸医師が朝食に食べていたのが、コンビニ(?)のフランクフルトとから揚げ3個。
これらをナイフとフォークを使って、一口を小さく切って30回かんで食べています。
その理由は、以下の2点があります。
- お肉本来の旨味を味わえる
- 唾液の分泌が増えて、唾液のラクトフェリンの抗菌作用と抗ウィルス作用で肺炎予防になる
肉の脂も食べる
肉の脂に多く含まれているオレイン酸は、悪玉コレステロールを減らす働きがあるためです。
血液検査の数値に問題がなければ、食べたほうが血管には良いということです。
パイナップルと豚肉の組み合わせ
パイナップルに含まれている酵素パパインは、豚肉のたんぱく質を分解してポークペプチドを作る。
このポークペプチドは、脳の血栓を予防する、肝臓の働きを強くするなどが期待できるようです。
そのため、酢豚は理にかなった料理ということです。
ビーフジャーキーを食べる
ビーフジャーキーは、通常のお肉に比べてたんぱく質が3倍に凝縮されています。
<100gあたりのたんぱく質量>
- 牛ランプ肉:16.0g
- ビーフジャーキー:54.8g
それは、水分が飛んでしまっている干し肉のため。
さらに持ち運びに便利で保存が効くのでオススメということです。
塩分が気になる人は、塩分控えめのビーフジャーキーを選ぶと良いそうです。
お酒の前には鶏皮
鶏皮には、ナイアシンが含まれています。
ナイアシンは、二日酔いの原因になるアセトアルデヒドの分解を助けてくれるためです。
魚と肉、どちらが血管の若返りに有効なのか?
魚も肉も血管の健康を守るためには、必要な食材と言えるかもしれません。
しかし、渡辺信幸医師の食べ方については、賛否両論のように感じました。
医師の見解は?
主治医が見つかる診療所に出演している医師によると、お肉について以下のように述べています。
<姫野友美医師>
- 肉の脂に含まれている飽和脂肪酸は、大事なカロリー源になる。
- 日本人は飽和脂肪酸をしっかり摂ったほうが寿命が長い。
- 飽和脂肪酸の摂取によって脳卒中が少ないというデータがある。
- 油脂はバランスが重要(肉や魚をバランスよく食べる)
<南雲吉則医師>
- 脂(動物性脂質)は熱に強く酸化しにくい、油(植物性脂質)は熱に弱くて酸化しやすい
- 熱い料理にはバターやラードなどの動物性脂質、冷たい料理にはえごま油やアマニ油などの植物性脂質を。
<秋津壽男医師>
- 食事はバランスが一番必要。そのためお肉も必要だけどお米や野菜も必要。
- もっと肉ばかり食べなさいという訳ではない。
- 肉は塩分が濃くなりやすい。
- ビーフジャーキーは、間食に食べるのをオススメ。
これらの意見をみると、お肉の脂だけでなく魚の脂(DHA・EPA)も摂取してバランス良くすることをすすめています。
また、秋津壽男医師は、渡辺信幸医師のような糖質制限(糖質をほとんど摂らない)の食事には否定的でした。
あくまでも一般的な食事をしている人は、お肉は適度な量を食べるようにすることをすすめていました。
【個人的見解】お肉を食べるなら糖質を控えることが重要では?
お肉にはカラダに必要な栄養がたっぷり含まれています。
しかし、お肉に多く含まれている飽和脂肪酸と、炭水化物たっぷりの食事は相性が良くないのでは?と思います。
飽和脂肪酸と糖質の組み合わせについては以下の記事で紹介してますが。
▷肉を食べると病気になってヤバイ!っていう研究結果が出たから調べてみたよ
日本人の一般的な食事の栄養バランス(炭水化物(糖質)が全体の60%を摂取)。
これに、お肉たっぷりの食事(飽和脂肪酸たっぷりの食事)を組み合わせると、肥満を招いて血管の健康も損なってしまうのでは?と思います。
つまり、お肉をたっぷり食べて血管の若返りを狙うなら、糖質制限(総摂取カロリー30%以下)が必要なのでは?
そのため、一般的な食事(炭水化物中心の食事)をするなら、魚が相性が良い。
お肉は程々にするのが良いのかもしれません。
ちなみに。
僕自身は、炭水化物(糖質)は必須栄養素ではないので積極的に摂っていません。
お肉は、動物性たんぱく質や動物性脂質(飽和脂肪酸)など必須栄養素がたっぷりなので最優先に食べています。
魚と肉!どちらが血管年齢が若返るのか?まとめると
魚も肉も、血管の健康を高めるためには、重要な食材だと思います。
でも、食事の栄養バランスが影響しているとも考えられます。
特に炭水化物(糖質)の摂取量が影響しているのでは?と思います。